「無駄に見えても、全てがヒントになる」

富良野での生活は、お店の2階に住んでいました。23年も住んでいたら、そりゃあ荷物も増えますよね。
部屋が広ければ広いほど、モノも増えるものです。

例えば、膝の半月板が痛くて今はほとんど使っていないランニングマシンとか、よく分からないけど買っちゃった競輪選手か使うタイプのかなり本格的な3本ローラーなんかが部屋にあったんです。ついつい、その時は「これだ!」って思って買っちゃったんですよね。

食器やグラスもそうです。どれが自分で買ったものか、どれがもらい物なのか、もう分からないぐらい増えていました。

引っ越しの時、「いらないものは置いていってもいいですよ」って言われて、寮みたいにスタッフが使うからとのこと。それは本当に助かりました。

でも、さすがに洋服や使いかけの食品なんかは片付けないといけないなと思って、古い服や、トライアスロンやマラソンで山ほどもらったシャツやスイムキャップなんかは懐かしいけど、思い切って断捨離しました。

リカンベントという二輪の自転車もあって、これは楽しい自転車だったんですが、都内では乗る自信がなくて、旭川の友達が営む陶器屋さんに無理やり引き取ってもらいました。

引っ越し荷物を東京に送って、今少しずつ開けているんですが、だいぶ減らしたはずなのに「これ、使わないよな〜」って思うものが多くて驚きます。キャンプが好きで、北海道でもよく行っていたから、キャンプ用品も捨てられずに全部持ってきちゃいました。

そういえば、富良野に来る前も東京でキャンプをしていた時期があったんです。数年前にキャンプ道具を新調して、キャンプに行った時、シングルバーナーのガスがすごく古く見えて、容器も錆びていたんです。「なんでこんなに錆びてるの?」って思ったら、それ、東京から持ってきた23年前のものでした。しかも、新しく買ったやつと全く同じ!

23年前も同じ事をしてたんですね(笑)。

今回持ってきたキャンプ用品、次にいつ使うんだろうな〜。そのまま置いてきた方が良かったかも、でも誰も使わないかな?ってちょっと考えちゃいます。お店が落ち着いたら、また使いたいですね。

今の部屋も狭いし、お店もスペースが限られているので、今回はとにかく物を増やさないようにしないとと思っています。

でも、考えてみると、無駄に見える買い物も決して無駄じゃないんです。

買っても使わなかった物、たくさんあります。でも、それは何かしらのヒントを与えてくれたと思うんです。
一度で100%満足できる買い物なんて、ほとんどないですよね。

何度も買い物して、失敗して、反省して、やっと満足するものに出会える。

最初から「これだ!」って思って買うよりも、そうやって経験を積んでいく方が、きっといいんだと思います。

これは商品開発と同じで、試作を何度も繰り返して、やっと納得のいくものができるようなもの。

だから、無駄じゃない。私はそう考えます!

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